大会テーマ:医療職の発達を支える文化とテクノロジーの融合
会長 三上 剛人
吉田学園医療歯科専門学校 救急救命学科
医療教授システム学会は、主要ミッションである患者・要介護者のニーズ、医療資源、最新の技術を最適化した人財育成システムの開発・普及に取り組み11年目を迎えました。超高齢社会に加え18歳人口の減少にも直面し、多様化する医療ニーズ、医療・介護機能の再編、財政的制約による医療費抑制、人材不足などなど、次の10年は医療職の育成がますます重要な課題となります。この課題を解決するためには、まずは医療職を目指す若い世代が、臨床現場に夢を抱き巣立っていくことを支えること、そして、本学会のアクションプランでもある「現場の教育力の向上」が必要不可欠なものとなるでしょう。
このような医療を取り巻く環境の中で、教育に関わるすべての人には、私たちが取り組んできた効果的・効率的・魅力的に学習ゴールを達成するプロセスに加え、医療職として学習面において自己調整を実践できる学習者、つまり自身で学ぶ力を持った人材を育てていくことが求められると考えます。
そこで今回は「発達を支える」という言葉をテーマに用いました。この言葉は、教える技術に加え、学習教材の開発や選択、学習環境の調整や組織文化の醸成などを含んでいます。これからの時代の教育ITも加えながら、11年目の医療教授システム学会を開催したいと思います。
3月下旬の北海道は、桜を期待する本州の陽気とはうらはらに、ときとして吹雪に見舞われ油断ができず、雪解けが進み1年で最も足元が悪い時期でもあります。積雪寒冷地ではまだまだ寒い時節ではありますが、例年通り皆様の熱いディスカッションで雪解けを加速させていただけることを期待し、たくさんの方の参加をお待ちしています。